階段を登りフロアに入ると、サラームさん選曲の中東音楽の流れる中、早くも旅や料理のお話が始まっていました。

「ケバブっていうのはイスラム教徒にとってはとても大切なものなんです。肉を、ハラムのやり方できちんと殺してきちんとしたやり方で血を抜いてきちんとして焼いて食べるっていうのは大切なことの一つで。肉食が多いんですけど、中東は、イスラム教だけじゃなくてユダヤ教もいるしクリスチャンもいる。今だとビーガンやベジタリアンもものすごく多い。

で、中東料理はベジタリアンやビーガンに簡単に対応出来るんです。どうしてかっていうと肉料理と野菜料理を完全に分けて作れる。
ユダヤ人は肉料理のキッチンと野菜料理のキッチン、あと乳製品のキッチンを分けなきゃいけない。

ユダヤ教とイスラム教はまた違うんですけど、そういったわけで中東料理は本当にベジタリアンやビーガンに対応している。
インド人だとビーガンのはずが…混在している。

レモンというと黄色いものを想像しますけど、
中東のレモンは日本でいうとすだちとか、ローカルのレモンなんですよ。
ローカルの雑味を入れた方が料理は美味しい。

イスラエル人のひとたちは週一回、
金曜の夜に家族が一回集まる。10人ぐらい。その間電車とか全て止まるんです。

金曜の夜から土曜の夕方まで、働いちゃいけないんですね。
ガスもひねっちゃいけないし、電気もつけちゃいけない。
いまだとタイマーがあって、その間は携帯も見ちゃいけない。敬虔なひとは携帯も見ないし、メールも打たないです。

ってことは、そのイスラエルって国は、週に一回完全に仕事が休みなのに、いま年間三万ドルしか稼げない日本人より一万ドルも高く、今ひとりあたりのGNPはイスラエル人の方が上なんです。効率のいい仕事をしている。その人たちの方が収入が上の時代なんです。

料理を見ているだけで、社会を見ていることにもなるんです。