先日はライブへと誘われるままに、野方みつわ通りを奥へ少し歩いたところにある「焼酎場ぁ〜くんちゃん」へ。
狭い階段を降りるとそこは、鍾乳洞に形成された石筍のように、焼酎の瓶が立ち並ぶ酒場なのであった。
すでに店内は本日出演の面々でひしめいており、
ほどなくリハーサルが始まった。
お客が入る前からすでに満席状態。私はカウンターの向こう側に席をあてがわれた。
演者との距離が近い。というか、カウンターの向かいの人とも目と鼻の先の近さだ。が、不思議と圧迫感のようなものはなく、みなさんで席の融通を利かせるうち、自然となにか、場の空気を共有する連帯感のようなものが生まれ、「距離」そのものの意味も変わっていくような感覚を覚えた。
それぞれのバンドが簡単なリハーサルの後、ノブ・ディランの演奏が始まる。
演奏は毎回、スマートフォンで配信されているという。
ビールの泡が作り出す光景。リラックスしてきた。
ふとカウンターの奥の方を見るとマスターのくんちゃんが目を閉じ、音に耳を傾けていた。
カウンターを挟んだ向かいには、以前、ウッドストックでお会いした吉村さんが。
このあと、ノブディランにお願いされギロという楽器を、ギーコッコ、ギーコッコ、と鳴らしていた。
ノブディランの演奏が後半に差し掛かる。
今日はふたりでの登場。
病みあがりということだったが、、相変わらずクセになりそうなMC。
お通しに身体が温まってくる。
「クセがある麦?そうだね、、」
「ええと、お湯割り?」
マスターがお客さんと焼酎を選ぶやりとりを聞いていたら、とても飲みたくなったのだが、今回は焼酎を飲みそびれてしまった。また、焼酎を飲みに来なければ。
大平司さん
身体の向こうからやってくるなにか。
やっぱり現場に身を置かないと体験できないことがある、と実感した。
神田太郎さん
言葉を追い越すように疾走するメロディーに、この感情はなんなんだろう?とずっと考え続けた。
バンドの入れ替わり中
目の前で歓談する二人を撮影した。そう距離がとても近い。
一本すうっと上がった煙
なぜか曲間吉村さんが、江戸期より伝承のからくり人形に変身するという一幕が。
急遽、マイクはまわって大平さんのMCに。
菊地さんが歌った直後なので、脳内では同じ曲が続いているようにも感じられるのだけれど。
また違った世界が広がり、いろんな楽器が集まって、花火が打ち上がる。
音楽というのは感情の交感なのだ。そんな当たり前のことに、心を鷲掴みにされた夜だった。
※
この日のライブ配信はこちらから(くんちゃんさんのFBページより)